定量調査をする「時間」も「費用」もない!そんな時にやりたい調査とそのポイント3箇条

考察

マーケティング活動において、調査、リサーチは重要な過程の1つです。ですが、やりたい気持ちとは裏腹に、充分な時間や費用がなく、リサーチ会社への依頼は難しい…というケースがあるのではないでしょうか。

ですが、諦める必要はありません。リサーチの方法は定量調査だけではありませんし、リサーチ会社にたよらずにやる方法だってあるからです。ここではその調査について、より効果的に行うポイントも含めてご紹介します。

【目次】

01 定量調査がムリなら、インタビュー調査がある!

02 ポイントの1つめは「目的」何のために何を明らかにするのか?

03 ポイントの2つめは「流れ」あとから比較や分析を行うのに適正か?

04 ポイントの3つめは「振り返り」得られた情報から何が見えてくるか?

 

定量調査がムリなら、インタビュー調査がある!

こんにちは!(株)TAMの広告・リサーチチームのムギシマです。
皆さんは「調査」や「リサーチ」にどんなイメージをお持ちでしょうか?

「計画を立てるのが大変で時間がかかりがち」「充分な予算がないと費用の工面が難しい」…なんて声が聞こえてきそうですね。

 

確かに、そんな一面はあるかも知れません。
ですが、だからと言ってリサーチを諦めるのはもったいないと思うんです!

 

本来は、数百人単位のアンケートなどで定量調査がしたいけれど、リサーチ会社に依頼する余裕はない…という場合、自社で「インタビュー調査」を行ってみてはどうでしょうか。

 

インタビュー調査は定性調査にあたるため、定量調査のように数値による集計や分析はできません。
ですが、必要最小限の対象者でも実施でき、そのぶん時間や費用はかなり抑えられます。

 

また、対象者の感情や行動の背景などに迫り、インサイトを探る手段としても有効です。
時には、定量調査で得られる以上にインパクトのある気づきを得ることさえ可能です。

 

それを考えると、インタビュー調査は手軽なわりに収穫のあるコスパの高い調査。
一切のリサーチを諦めてしまうよりは、断然価値があると言えるのではないでしょうか。

 

実は私たちも、リサーチサービスの開発にあたってインタビュー調査を実施しました。
その結果、ターゲットを当初の設定から見直すに至り、有意義な調査となりました。

 

ただ、同じように意義を感じられる調査にするには、やり方のポイントが存在します。
それは「目的」「流れ」「振り返り」の3つです。

鳥獣戯画、菊花流水図、見返り美人とは、豪華なたとえですね…

 

次の段落から、それぞれについて詳しくご紹介します。

 

ポイントの1つめは「目的」。
何のために何を明らかにするのか?

インタビュー調査に限ったことではありませんが、「目的」が明確になっていないと、リサーチの意義は薄れます。特にインタビューの場合は、ただの対話で終わる恐れがあります。

 

チームでは、目的を整理するためのツールとして調査設計シートを用います。
ここに、インタビューで何が明らかになれば次の意思決定や行動ができるのか?その先の展開を念頭に置いて整理していきます。

目的

何のためにリサーチをするのか?
リサーチで得た情報を何にどう活用するのか?

 

明らかにすべき課題

目的を達成するために、深く理解すべき対象、事象は何か?
意思決定やアクションをするために、どんな情報が必要か?

 

調査を通じて知りたいこと

課題を明らかにするために、必要な要素は何か?
より具体的に、どんな情報を得なければならないか?

 

まずは最終的に目指す内容を固め、その内容を実現するために、今何が足りていないのか、何を得られれば充分か、ゴールから遡るような道筋で考えると整理しやすいかと思います。

 

私もリサーチを学び始めた当初は、この整理に時間がかかっていましたが、しっかりやればやるだけ深い調査ができるので、ぜひ活用してみてください!

 

ポイントの2つめは「流れ」。
あとから比較や分析を行うのに適正か?

目的がきちんと決まれば、続いて対象者へのインタビューとなります。
この段階でのポイントが、質問の「流れ」です。

 

定量調査と違い、インタビュー調査では対象者のインサイトを探れる点がメリットです。
ですが、その人の反応や回答に合わせ過ぎると失敗に陥ります。私も過去に経験があります…。

 

質問が目的から逸れることで本来知りたかった情報が得られず、その他の対象者との比較や全体の分析が困難になってしまうのです。

 

そこで行うのが、インタビューフローの整理です。
バイアスがかからないように配慮しつつ、どんな質問をどんな順番で聞くかを考えます。

 

以下は、私たちがリサーチサービスの開発の際に行ったインタビューフローの例です。

このフローをまとめておけば、知りたい情報の抜け漏れを防ぐことができ、自分以外の人がインタビューをやる場合にも、均一の品質で行うことができます。

 

また質問を掘り下げる際も、この内容が起点になるため、目的からの脱線も防げます。
インタビューに不慣れな場合は、カンペ代わりにもなる便利なツールです!

 

ポイントの3つめは「振り返り」。
得られた情報から何が見えてくるか?

インタビューが済んだら、その後にも大事なポイントがあります。
それが「振り返り」です。

 

ここでは、インタビューで得た情報の中から、目的達成のために有益な要素を洗いざらい抽出する作業を行います。

 

できればプロジェクトメンバーにインタビューに同席してもらい、一緒に感想や意見を出し合えるとベストです。メンバー間で認識に差異がある場合は、なぜそう思うのか、議論することも大事です。

 

そして、出てきた情報を共通点や相違点を見ながら整理します。
それを、様々な角度、視点から分析していくと、新たな気づきや発見が見えてきます。

 

この気づきや発見は、次の意思決定やアクションをする際の重要な指針になります。

 

インタビュー調査をした後、「…で、この先どうしよう?」「次、どう動けば…?」となりがちな人は、おそらくこの指針が得られていない(=振り返りが充分にできていない)のが原因です。

 

インタビュー調査は、話を聞いて満足できれば終わり、というものではありません。
聞いた話から何を見出すかがもっとも重要なので、振り返りをじっくりと行ってください。

 

インタビュー調査用キットを共有します!

今回の記事内でご紹介した「調査設計シート」や「インタビューフローシート」など、インタビュー調査の準備段階で役立つキットを共有いたします。

ご希望の方は、以下のインタビューキット申込みフォームに、ご氏名とメールアドレスをご記入の上、送信ボタンを押してください。ご記入のメールアドレスに、ダウンロード用URLをお知らせいたします。

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